ボーナスが振り込まれた通帳を見て、「よし、これで辞められる」——そう思った経験、ありませんか。

実は夏のボーナス支給直後は、1年でもっとも退職者が増える時期のひとつです。冬に「ボーナスまでは我慢しよう」と決めた人が、ちょうど今、決断のタイミングを迎えるからです。

僕自身、29歳でフリーターから正社員になったあと、年間休日84日のブラック企業に2年半いました。そして勢いで辞めて、痛い目を見ました。この記事では、その失敗をふまえて「辞めるなら、この順番で」という話をします。

三十路フリ太郎
三十路フリ太郎

ボーナスもらってすぐ辞めるのって、さすがに図々しくない…?

ともふみ
ともふみ

まったく問題ありません。ボーナスは「これまで働いた分」への対価。もらってから辞めるのは当然の権利です。

 

結論:ボーナス後に辞めるのは「アリ」。ただし勢いはNG

まず気持ちの面から。ボーナスをもらってから辞めることに、後ろめたさを感じる必要はまったくありません。

ボーナスは多くの企業で「過去の一定期間の勤務に対する対価」として支払われます。つまりすでに働いた分の報酬であって、「これから働き続けます」という誓約金ではないのです。

ただ、ひとつだけ注意点があります。会社の就業規則に「支給日に在籍していること」という条件が書かれている場合があること。支給日より前に退職日を設定すると、もらえなくなる可能性があります。退職を切り出す前に、就業規則の賞与の項目だけは必ず確認しておいてください。

問題は、そこではありません。本当に危ないのは「お金が入った勢いで、次を決めずに辞めること」です。

 

僕がやらかした話——「3か月分あるから大丈夫」の油断

ブラック企業にいた頃、僕はまさにこれをやりました。

年間休日84日、毎日終電、上司の怒鳴り声。限界でした。ボーナスが出た週に退職届を出して、次を決めないまま辞めたんです。頭の中はこうでした。

  • 「ボーナスと貯金で3か月は食べていける」
  • 「辞めてから、じっくり良いところを探せばいい」
  • 「今よりひどい会社なんてないだろう」

結果はどうだったか。3か月では決まりませんでした。

理由は単純で、無職期間が長くなるほど、こちらの足元を見られるようになるからです。面接で「今は何をされていますか?」と聞かれ、「求職活動に専念しています」と答えるたびに、空気が少し変わるのがわかりました。

そして焦りが出てくると、判断がどんどん雑になります。貯金が減っていく恐怖の中で、僕は「とりあえず受かったところ」に決めてしまいました。ブラック企業から抜け出したのに、また似たような環境に入ってしまったのです。

ともふみ
ともふみ

「辞めたい」と「次を決める」は、まったく別の作業なんです。同時にやろうとすると、焦りで必ず失敗します。

 

辞める前にやるべき「正しい順番」

失敗した僕が言うからこそ、説得力があると思います。順番はこうです。

① 就業規則で「賞与の支給条件」と「退職の申出期限」を確認する

賞与の条件は前述のとおり。あわせて「退職は◯か月前までに申し出ること」という規定も見ておきます。多くは1〜2か月前。ここを逆算しないと、希望日に辞められません。

② 在職中に、次の選択肢を集める

ここが最重要です。「辞めてから探す」ではなく「探しながら辞める準備をする」。順番が逆になるだけで、結果はまるで変わります。

在職中に動くメリットは、お金の不安がないこと以上に、「断れる」という一点に尽きます。今の会社という逃げ場があるから、条件の悪い求人を冷静に断れる。この余裕が、次の職場の質を決めます。

③ 退職を切り出すのは、内定が出てから

引き止めにあっても、次が決まっていれば心が揺れません。「もう次が決まっていますので」の一言は、どんな説得よりも強いです。

 

在職中の転職活動が「しんどい」を解決する方法

とはいえ、正論はわかっていても現実は厳しい。働きながらの転職活動は、単純に時間がありません。

僕もそうでした。終電で帰って、休日は泥のように眠る。求人サイトを開いても、何百件の中から自分に合うものを探す気力が残っていない。結局スマホを閉じて、また同じ毎日に戻る——この繰り返しでした。

だから僕は2回目の転職では、求人を探す作業そのものを人に任せました。それが転職エージェントです。

エージェントを使うと、こういう「時間のなさ」が解決します。

  • 希望を伝えれば、条件に合う求人を向こうから出してくれる(探す時間がゼロになる)
  • 面接の日程調整を代行してくれる(在職中はこれが本当に助かります)
  • 年間休日や残業の実態など、求人票に書いていないことを聞ける(ブラック回避に直結)

特に3つ目が大きい。僕がブラック企業に入ってしまったのは、求人票の「年間休日120日(会社カレンダーによる)」の意味を知らなかったからです。中の人を知っている第三者に確認できるだけで、同じ失敗はかなり防げます。

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実は今が動きどき。8〜9月に求人が増える理由

もうひとつ、タイミングの話をしておきます。

8月から9月にかけては、求人が増えやすい時期です。理由は3つあります。

  • 10月入社を見込んだ募集が動き出す:下半期スタートに合わせた採用
  • ボーナス後の退職者が出て、その欠員募集が発生する:あなたと同じ理由で辞める人がいる
  • お盆前後は応募者が減る:ライバルが動かない時期こそ狙い目

つまり、ボーナスをもらった今このタイミングで情報収集を始めるのは、理にかなっています。実際に辞めるのは秋でも冬でもいい。動き出すのが今、というだけの話です。

 

まとめ:もらってから辞めるのは正しい。ただし「順番」を守る

最後に整理します。

  • ボーナスをもらってから辞めるのは、まったく問題ない。すでに働いた分の対価です
  • ただし就業規則の「支給日在籍要件」だけは事前に確認する
  • 次を決めずに辞めるのは危険。焦りが判断を鈍らせ、また同じ環境に入ってしまう
  • 在職中に選択肢を集める。「断れる立場」でいることが、次の職場の質を決める
  • 時間がないなら探す作業を人に任せる。それだけで在職中でも動けます

僕は勢いで辞めて、遠回りをしました。でもそのおかげで、「辞めること」より「辞めたあとどうなるか」のほうがずっと大事だと学べました。

今つらいなら、辞めていいんです。ただ、辞めたあとの自分がちゃんと笑えているように——順番だけは、守ってあげてください。