先に結論を書きます。フリーターの節約は、この順番で手をつけると効きます。
- 固定費(通信費・サブスク・保険・手数料)——一度見直せば、毎月勝手に減り続ける
- 手続き(国民年金の免除・納付猶予、国民健康保険の軽減)——知らないと払わなくていい額まで払うことになる
- 食費——最後に、我慢ではなく「型」で減らす
そして、もうひとつ正直に書いておきます。節約で作れる余裕には限界があります。僕自身の数字で比べても、節約で浮かせられる額より、正社員になったときの月給の差のほうがずっと大きいからです。
僕は29歳までフリーターでした。時給1,100円で月160時間くらい働き、家賃は5万円、食費は月2万円くらい。就活を始めた時点で、貯金は数万円でした。その家計と公的なデータを並べながら、削る順番を書きます。

節約って我慢ばっかりで、心がすさむんだよなぁ…

わかる。だから「我慢する節約」より「仕組みで減らす節約」と「手続きで減らす節約」を先にやるんです。
まず、自分の家計を「平均」と比べる
どこを削るか決める前に、自分がどこに多く使っているかを知る必要があります。比べる相手として、総務省の「家計調査」の単身世帯の数字を置いておきます。
| 項目 | 単身世帯の平均(月) | フリーター時代の僕(月) |
|---|---|---|
| 収入 | — | 額面 約17.6万円(時給1,100円×160時間) |
| 消費支出の合計 | 173,042円 | — |
| 食料 | 49,321円 | 2万円くらい |
| 住居 | 21,667円 | 5万円(家賃) |
出典:総務省「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」表Ⅱ-1-2。単身世帯の平均年齢は58.6歳で、住居費には持ち家の人も含まれるため、若い賃貸暮らしの人と比べると住居費は低く出ます。あくまで目安です。
僕の場合、食費は平均の半分以下でした。一方で家賃は、額面収入の3割近くを占めていました。つまり削る余地が大きかったのは、食費ではなく固定費のほうです。自分の数字を同じように並べると、どこから手をつけるべきかが見えてきます。
時給1,100円での一人暮らしの家計を丸ごと知りたい人は、時給1100円・月160時間で一人暮らし。フリーター時代の家計を全部書きますを読んでください。この記事では「どう削るか」に絞ります。
節約術①:固定費から削る(一度やれば毎月効く)
お金がない時期にありがちな失敗が、「食費を1食100円削る」ような我慢型の節約から始めることです。つらい割に効果が小さく、続きません。
先にやるべきは、一度手をつければ勝手に減り続ける「固定費」です。
- スマホ代:大手の通常プランを使っているなら、格安SIMや大手のオンライン専用プランへの切り替えを検討する。使い方によっては、固定費の中でいちばん差が出やすい項目です
- サブスク:動画・音楽・アプリ課金を一度すべて書き出す。「いつか使うかも」は、だいたい使いません
- 保険:独身で扶養する家族がいないなら、保障が大きすぎないか見直す
- 手数料:コンビニATMの時間外手数料や振込手数料。1回は小さくても、回数が多いと効きます
- 家賃:すぐには動かせませんが、更新や引っ越しのタイミングで必ず見直す。家賃は、固定費の中でいちばん大きな項目です
どれも「我慢」はゼロです。ここが仕組みで減らす節約の強さです。
節約術②:国民年金と国保は「手続き」で減らせることがある
フリーターの節約で、いちばん見落とされていると思うのがここです。バイト先で社会保険(厚生年金・健康保険)に入っていない人は、国民年金と国民健康保険を自分で払っています。この2つには、収入が少ない人向けの制度があります。
国民年金:払えないなら「未納」ではなく「免除・猶予」を申請する
国民年金の保険料は、令和8年度で月17,920円です。時給で働く身には重い金額です。
日本年金機構によると、前年の所得が一定以下の人は、申請すると保険料が免除(全額・4分の3・半額・4分の1)されたり、納付猶予(20歳以上50歳未満が対象)を受けたりできます。
- 全額免除の期間は、将来の老齢基礎年金に全額納付した場合の2分の1が反映される
- 納付猶予の期間は、年金を受け取る資格の期間には数えられるが、年金額には反映されない
- 免除・猶予を受けた保険料は、10年以内なら後から納める(追納する)ことができる
- 申請先は、住んでいる市区町村の国民年金の窓口か、年金事務所(郵送も可)
いちばん損なのは、払えないまま「未納」で放置することです。未納の期間は年金額にも受け取る資格の期間にも数えられません。免除や猶予は「払わなくていい制度」ではなく、「払えない時期を正しく記録しておく制度」だと考えてください。
国民健康保険:所得の申告をしないと、軽減されない
国民健康保険料(税)には、前年の所得が一定以下の世帯について、保険料の一部(均等割など)を7割・5割・2割減らす仕組みがあります。
注意したいのは、多くの自治体が「所得の申告をしていないと軽減が適用されない」と案内していることです。所得がほとんどない年でも、住民税の申告や確定申告をしておかないと、本来より高い保険料になることがあります。世帯の中に1人でも未申告の人がいると軽減されない、と案内している自治体もあります。
基準や手続きは自治体ごとに違うので、「〇〇市 国民健康保険 軽減」で検索して、住んでいる自治体の案内を確認してください。
節約術③:食費は「自炊の型」を決めて、考えずに回す
変動費の主役は食費です。ただ、凝った自炊は続きません。続けるコツは「型」を先に決めておくことです。
- 主食は炊く:主食を毎回買うと割高になりやすい
- 料理のパターンを3つくらいに絞る:毎日レシピを考えると、それだけで疲れて外食に流れます
- 買い物の回数を減らす:店に行く回数が増えるほど、予定外の買い物も増えます
- コンビニは「寄らない日」を決める:1回数百円でも、毎日なら月1万円を超えます
僕の食費は月2万円くらいでした。単身世帯の平均(月49,321円)と比べると、食費は削れるところまで削れていたと言えます。それでも貯金は数万円しかなかった。ここが、次の話につながります。
やってはいけない節約
削ると、あとで高くつくものもあります。
- 食事を抜く:体調を崩してシフトに入れなくなれば、節約した額以上に収入が減ります
- 年金・保険を未納のまま放置する:上に書いたとおり、払えないなら免除・猶予を申請する
- 交際費を全部なくす:人とのつながりが切れると、仕事の情報も入ってこなくなります
- 自己投資をゼロにする:就活のための交通費や、面接に着ていく服まで削ると、抜け出す力まで失います
- 足りない分をリボ払いやカードローンで埋める:節約の効果を、利息がまとめて消してしまいます
正直な話:節約だけでは、抜け出せなかった
ここまで節約の話を書いてきましたが、いちばん伝えたいのはここです。
食費を月2万円くらいに抑えていても、フリーター時代の額面は月17.6万円ほど。固定費の見直しで浮くのも、多くの場合は月に数千円から1万円台です。副業もしていました。Webライターの仕事です。ただ、最初の案件は1,500字で400円でした。
29歳で就職した1社目の月給は22万円。フリーター時代より、額面で月4万円以上増えました。節約で何か月もかけて作る額を、毎月の給料の差が上回ったわけです。
ただし、正社員なら何でもいいわけではありません。2社目は月給23万円でしたが、年間休日84日、基本給は10万円未満、毎日終電でした。仮に1日12時間働いたとして時給に直すと、23万円÷(月あたり約23.4日×12時間)で約820円。フリーター時代の時給1,100円を下回ります。月給の額面だけで比べると、こういう落とし穴に気づけません。
その後、32歳で入った3社目と、いまの会社の月給は30万円。いまの会社は年間休日126日です。節約は大事です。でも、数字で見る限り、効き目が大きいのは「収入の構造」を変えることのほうです。節約は、そのための時間を稼ぐ手段だと考えてください。

節約は「時間稼ぎ」。稼いだ時間で、収入を変える一歩を踏み出すのが近道です。
職歴ゼロだった僕でも、フリーター・未経験を前提にした転職エージェントを使って正社員になれました。相談は無料なので、「節約疲れ」を感じているなら、年齢に合う窓口に一度話を聞いてみてください。
20代なら、ミラフリのような20代フリーター・既卒向けのサービスが合います。相談はオンラインで無料なので、バイトのシフトの合間にも使えます。
30代なら、転職エージェントナビのように、状況に合うエージェントを選んで紹介してくれるサービスから入ると、「20代限定」に当たって時間を失わずに済みます。紹介されたエージェントと合わなければ、担当カウンセラーに相談して別のエージェントを追加で紹介してもらうこともできます。
![]()
年齢ごとの選び方はフリーター・30代の転職エージェントおすすめに、アラサーで動くときの考え方はアラサーフリーターの現実と抜け出し方にまとめています。
よくある質問
Q. 節約と就活、どちらを先にやるべきですか?
同時で大丈夫です。固定費の見直しと年金・国保の手続きは、一度やれば終わります。先に片づけて、浮いた時間と気持ちを就活に回してください。
Q. 就活中はバイトを減らしたほうがいいですか?
収入が途切れると節約では追いつかないので、急に減らすのはおすすめしません。減らすタイミングは就職活動中、バイトはいつ辞める? 月160時間シフトで就活した僕の答えに書きました。
Q. 実家に戻るのは節約になりますか?
家賃がかからなくなるので、固定費は大きく下がります。地元で仕事を探すことになる場合は、職歴なしの地方就職は難しい?も参考にしてください。
まとめ:守りは仕組みと手続きで、攻めは収入で
- 節約は「固定費→手続き→食費」の順。我慢型より仕組み型
- 国民年金は払えないなら未納にせず、免除・納付猶予を申請。国保は所得の申告をしないと軽減されない
- 食費は「型」を決めて考えずに回す。ただし削りすぎは逆効果
- 節約で作れるのは月に数千円〜1万円台。根本的に効くのは収入の構造を変えること
- 正社員の求人は月給の額面だけでなく、年間休日と基本給まで見て比べる
お金がない時期は、視野がどんどん狭くなります。だからこそ、一度やれば終わる節約を先に片づけて、空いた頭で次の一歩を考えてください。
出典:総務省「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」、日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」、各自治体の国民健康保険の軽減制度の案内。保険料の額や基準は年度ごとに変わるので、最新の情報は各窓口で確認してください。
あわせて読みたい:フリーターから正社員になった私のキャリアアップ全記録/ハローワークと転職エージェント、どっちを使うべき? 職歴なし・フリーター向けに違いと使い分けを解説




