「ハローワークと転職エージェント、結局どっちを使えばいいの?」
先に答えを書きます。どちらか一方に決める必要はありません。目的で使い分けるものです。地元の求人を広く見たい、失業保険や職業訓練の手続きもしたいならハローワーク。書類の見せ方や面接の練習まで担当者と一緒に進めたいなら転職エージェント。職歴に自信がない人は、エージェントを「職歴なしを想定している窓口」から選ぶのがいちばん大事です。
最初に正直に書いておくと、僕自身はハローワークを使っていません。29歳・職歴なしで就活したときに使ったのは転職エージェントです。なのでこの記事では、ハローワークについては厚生労働省などの公式情報をもとに書き、エージェントについては僕がつまずいた話も含めて書きます。

無料なのは同じだし、正直どっちでもいい気がするんだけど…

無料なのは同じでも、「誰がお金を払っているか」が違います。そこが分かると、使い分けも見えてきます。
違いの根っこは「お金の流れ」
ハローワークは国が運営する公共の職業紹介の窓口です。求職者も企業も、お金を払わずに使えます。
転職エージェントは、国の許可を受けた民間の職業紹介事業者です。職業安定法のルールで、求職者からは原則として手数料を取れず、採用した企業が紹介手数料を払うしくみになっています(厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」)。僕たちが無料で使えるのは、企業側が払っているからです。
この違いから、それぞれの性格が決まってきます。
| ハローワーク | 転職エージェント | |
|---|---|---|
| 運営 | 国(無料) | 民間企業(求職者は無料) |
| お金を払う人 | 誰も払わない(企業の求人掲載も無料) | 採用した企業が紹介手数料を払う |
| 求人の傾向 | 地元の中小企業が多い。掲載が無料なので幅が広く、当たり外れも大きい | 手数料を払ってでも採用したい企業。扱う求人はエージェントごとに違う |
| サポート | 窓口で相談・紹介。若者向けの窓口では担当者制・書類作成の支援・模擬面接もある | 担当者が求人紹介・書類の添削・面接対策まで付く |
| できる手続き | 失業保険(雇用保険の基本手当)、職業訓練の相談など | なし(求人の紹介と選考のサポートが中心) |
| 向いている人 | 地元で働きたい人、退職後の手続きがある人、職業訓練を考えている人 | 書類や面接に自信がない人、求人選びを誰かと一緒にしたい人 |
エージェントの弱点:「紹介しやすい人」が優先される
企業から手数料をもらうしくみだということは、裏を返すと、エージェントは「企業に紹介しやすい人」ほど手厚くなりやすいということです。即戦力の経験者を中心に扱うエージェントに、職歴なしのまま行くと、紹介できる求人が少なく、扱いが軽くなることがあります。
僕がつまずいたのが、まさにここでした。
29歳で就活を始めたとき、大手の転職エージェントに3社登録しました。ところが面談では、経歴を話したときに鼻で笑われたと感じた場面がありました。そこから2か月くらい、動けない時期がありました。

うわ、それ心が折れるやつだ…

折れました。でも今思えば、窓口の選び方がずれていただけでした。
流れが変わったのは、フリーターなど向けの特化型エージェントに移ってからです。模擬面接を2回やってもらい、そのエージェント経由で1社目に内定しました。
それでも楽勝だったわけではありません。応募の数は正確には覚えていませんが、書類はほとんど通らず、面接まで進めたのは10社ほどです。
ここから言えるのは、「ハローワークかエージェントか」の前に、エージェントの中でも、職歴なしを想定しているところを選ぶことが大事だということです。大手が悪いのではなく、得意な相手が違うだけです。
ハローワークの強み:地元の求人と、手続きと、若者向けの窓口
ハローワークにしかない強みもはっきりあります。
- 地元の求人:求人の掲載が無料なので、採用にお金をかけられない地元の小さな会社も載せています。「地元で働きたい」人は、一度は見ておくべきです。求人は「ハローワークインターネットサービス」で自宅からも探せます
- 失業保険の手続き:雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)の手続きはハローワークで行います。退職したあとの人は、どのみち関わることになります
- 職業訓練:スキルを身につけてから就職したい人は、職業訓練の相談をハローワークでできます
もうひとつ、あまり知られていないのが若者向けの窓口です。厚生労働省によると、正社員を目指すおおむね35歳未満の人を対象にした「わかものハローワーク」が全国21か所、「わかもの支援コーナー」「わかもの支援窓口」が199か所にあります。担当者制の相談、履歴書などの書き方の支援、模擬面接まで無料で受けられます。
「ハローワークは求人を紹介するだけ」というイメージがあるかもしれませんが、若者向けの窓口なら、エージェントに近いサポートも受けられるということです。職歴なしでエージェントに断られた人や、地方でエージェントの求人が少ない人は、ここを覚えておいてください。
どちらを使っても、自分で確かめることは残る
ハローワークでもエージェントでも、ブラック企業を必ず避けられるわけではありません。ハローワークの求人は掲載が無料なぶん幅が広く、エージェントは担当者が知っている範囲の情報しか持っていません。
僕の2社目は、年間休日84日の会社でした。年間休日や基本給、固定残業代の中身は、最後は自分で求人票と面接で確かめる必要があります。窓口を選ぶことと、条件を自分で確かめることは、別の作業だと思っておいてください。
職歴なし・フリーターの人向けの使い分けの順番
- まず、職歴なし・フリーターを対象にしたエージェントに1〜2社相談する。書類の見せ方と面接の練習を先に固める
- 地元で働きたいなら、同時にハローワークの求人も見る。エージェントに出ていない地元企業が見つかることがある
- 35歳未満なら、わかものハローワーク(わかもの支援コーナー)も候補に入れる。エージェントで「紹介できる求人がない」と言われたときの受け皿になる
- 担当者と合わない、扱いが軽いと感じたら、窓口を変える。僕のように2か月止まるくらいなら、早めに別のところへ移った方がいい
今からフリーター・未経験で相談するなら、次のようなサービスがあります(僕が当時使ったサービスという意味ではありません)。年齢で対象が分かれるので、そこだけ確認してください。
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
| 転職エージェントナビ |
様々な会社に所属する全国300名以上の転職アドバイザーから、相性の良い担当者を紹介してくれる。担当の変更も可能。利用は無料(公式サイトより)。 |
| 第二新卒エージェントneo |
20代に特化した就職・転職サポート。第二新卒・既卒・フリーター・高卒・中退などが対象で、履歴書の添削や面接対策も相談できる。利用は無料(公式サイトより)。 |
| POSIWILL CAREER(ポジウィルキャリア) |
求人紹介をしないキャリアコーチング。「そもそも転職すべきか」から一緒に整理してくれるので、やりたいことが定まっていない人向け。初回の無料相談のあと、本契約(コーチング本体)は有料。 |
| ミラフリ |
20代のフリーター・アルバイトに特化した就職支援。フリーターからの就職支援事例が豊富。ハローワークと違い、相談から応募までオンラインで完結する。 |
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まとめ:二者択一ではなく「目的で使い分け」
- ハローワークは国の窓口で、誰もお金を払わない。エージェントは採用した企業が手数料を払う
- エージェントは「紹介しやすい人」が優先されやすい。職歴なしなら、職歴なしを想定した窓口を選ぶ
- 地元の求人・失業保険・職業訓練はハローワーク
- 35歳未満なら、わかものハローワークで担当者制の相談や模擬面接も受けられる
- どちらを使っても、年間休日や給料の中身は自分で確かめる
29歳・職歴なしの僕は、大手のエージェントで一度止まり、窓口を変えてから内定まで進みました。もし今、一人で応募し続けて消耗しているなら、それはあなたの価値の問題ではなく、窓口の選び方の問題かもしれません。

どっちが正しいかじゃなく、どっちが「今のあなた」に必要か。合わないと感じたら、窓口は変えていいんです。
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