お盆休みの最終日、夕方。

まだ何も始まっていないのに、もう気が重い。スマホでカレンダーを開いて、明日からの日数を数えてしまう。「あと何日耐えれば、次の休みが来るんだろう」と。

この感覚に覚えがあるなら、この記事はあなたのために書いています。

三十路フリ太郎
三十路フリ太郎

休み明けが憂鬱なんて、みんなそうやん。それで辞めてたらキリないやろ。

ともふみ
ともふみ

そこなんです。「みんな憂鬱」で片づけていい憂鬱と、そうじゃない憂鬱がある。その線引きの話をします。

 

なぜ、お盆明けに辞めたくなるのか

まず、この時期に退職を考える人が増えるのには理由があります。気の持ちようではありません。

①「戻る先」を、休んだ状態で見てしまうから

働いているときは、感覚が麻痺しています。しんどさに慣れてしまって、それが普通になる。ところが数日休むと、その麻痺が一度リセットされます。

そこで初めて、回復した自分の目で、自分の職場を見ることになる。休み明けがつらいのは、休んだからではなく、まともな感覚に戻ってしまったからです。

② 比較材料が入ってくるから

お盆は、久しぶりに人と会う時期です。同級生、親戚、地元の友人。会話の中に自然と仕事の話が出てきます。

「有給どれくらい取れてる?」「残業ってどんなもん?」——悪気のない質問が、いちばん効きます。自分の会社しか知らないと基準が持てませんが、他人の話が入った瞬間に自分の職場の異常さに輪郭がつくんですね。

③ 区切りとして考えやすいから

年末、年度末、そしてお盆。人は区切りのタイミングでしか、大きな決断をしません。「next の話は連休明けに」と先送りしてきたことが、ちょうど期限を迎えるのがこの時期です。

僕自身、年間休日84日の会社にいたとき、辞める決心がついたのはやはり長い休みの終わりでした。日曜の夜に感じる憂鬱の、10倍が来る感じです。

 

辞めたほうがいい人の5つの基準

ここからが本題です。「休み明けがしんどい」は全員に起きます。問題は、それが一時的なものか、危険信号かの区別です。

僕の実体験と、辞めた後に振り返って「もっと早く動けばよかった」と思った点から、5つに絞りました。2つ以上当てはまるなら、動いたほうがいいと思っています。

基準 具体的にどういう状態か
①休んでも回復しない 連休をまるまる使っても疲れが抜けない。寝ても寝た気がしない。休日は寝るだけで終わる。これは休息不足ではなく、消耗が回復の速度を超えている状態です。
②体に出ている 日曜の夜や休み明け前夜になると、腹痛・頭痛・動悸・眠れないなどが出る。会社の最寄り駅で足が止まる。体は言葉より正直で、しかも先に壊れます。
③法律の線を越えている 残業代が出ない、有給が取れない、休憩がない、退職を申し出ても認められない。これは「合わない」ではなく違法です。我慢する筋合いがありません。
④3年後の先輩が絶望的 そこにいる3年目・5年目の人を見て「ああはなりたくない」と思う。その会社での成長曲線は、その人たちが実物で示しています。
⑤辞めたい理由が半年変わっていない 去年の休み明けも同じことを考えていた。理由が同じまま時間だけ経っているなら、環境は変わりません。変わるのはあなたの消耗度だけです。

特に①と②が同時に出ている場合は、急いでください。僕がいちばん後悔しているのは、この状態を1年以上「気合いが足りないだけ」で片づけたことです。

ともふみ
ともふみ

体調が出ている時点で、もう「考える段階」は終わってます。動く段階です。

 

逆に、いま辞めないほうがいい人

一方で、この時期の勢いで辞めると、かなりの確率で後悔します。僕がそうでした。

次のどれかに当てはまるなら、辞めること自体は否定しませんが、順番を変えたほうがいいです。

  • 辞めたい理由を、休み中に初めて考えた——連休の高揚と反動で気持ちが振れているだけの可能性があります。1〜2週間、働きながらもう一度見てください。それでも消えないなら本物です
  • 貯金が生活費1〜2か月分しかない——次が決まる前に辞めると、焦りで判断が雑になります。僕はこれで「とりあえず受かったところ」に決めて、また似た環境に入りました
  • 次に何がしたいか、言葉にできない——「今がイヤ」だけで動くと、逃げた先で同じことが起きます。逃げるのは悪くありません。ただ逃げる方向は決めておく必要があります
  • 不満が特定の一人だけ——上司や同僚が原因なら、異動や配置換えで解決することがあります。会社ごと替えるのは、それを試してからでも遅くありません

辞める順番については、夏のボーナスをもらってから辞めるのはアリ? 損しないための確認点と「辞める前の順番」で詳しく書いています。お金まわりの注意点はこちらを読んでください。

 

「辞めるべきか分からない」が、いちばん多い

実際のところ、多くの人はこの2つの間にいます。限界とまでは言えないけれど、このまま続ける自信もない。

この状態がいちばん厄介です。決められないまま時間が過ぎて、来年の休み明けにまた同じことを考えることになるからです。僕は2年半、それを繰り返しました。

ここで転職エージェントに行くと、少しズレます。エージェントは企業から報酬を受け取る仕組みなので、基本的に「転職する前提」で話が進むからです。まだ決めていない人が最初に行く場所ではありません。

迷っている段階で相性がいいのは、POSIWILL CAREER(ポジウィルキャリア)のような求人を紹介しないキャリアコーチングです。求人を出さない=あなたが転職しなくても困らない立場なので、「そもそも辞めるべきか」から一緒に整理できます。

本格的なコーチングは有料ですが、初回のカウンセリングは無料です。まず言語化だけしてもらって、そこから自分で動くという使い方でも十分に元は取れます。

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辞めると決めたのに、切り出せないとき

基準に当てはまって、腹も決まった。それでも言い出せない——ここで止まる人が本当に多いです。

お盆明けは特にそうで、「人手が足りない時期に言うのは申し訳ない」と考えてしまう。ただ、忙しくない時期というのは永遠に来ません。僕も2社目では、辞めようとして3回先送りしました。

そして、こういう会社ほど引き止めが強い。「後任が決まるまで」「せめて年内は」と言われて、ずるずる半年ということが普通に起きます。

自分で切り出すのがどうしても無理なら、退職代行を使うのは逃げではなく手段です。ただし選び方には注意点があります。

運営元 できること
民間企業 退職の意思を伝えるだけ。有給や未払い賃金の交渉はできません(非弁行為になるため)
労働組合 団体交渉権があるため、有給消化や退職日の交渉ができる
弁護士 交渉に加えて、未払い残業代の請求など法的手続きまで対応できる。費用は高め

有給が20日分残っている、残業代が出ていない——こういう状況なら、交渉できるところを選ばないと損をします。金額の差より、取り返せる額のほうが大きいからです。

円満退職ユニオンは労働組合が運営しているので、この交渉ができます。料金は加入時納入額16,000円(加入費3,000円+組合活動費1,000円+組合費2ヶ月分12,000円)です。この金額には組合費2ヶ月分が含まれているので、3ヶ月目以降の組合費の扱いは申し込み前に公式サイトで確認してください。

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労働組合運営/加入時納入額16,000円(加入費3,000円+組合活動費1,000円+組合費2ヶ月分12,000円)

「親や次の職場にバレるのでは」という不安があるなら、退職代行を使うと親や次の職場にバレる?結論、バレません【3つの例外だけ注意】にまとめてあります。結論だけ言うと、書類には残りません。

 

辞める前に、次の相談だけ始めておく

最後に、順番の話をもう一度だけ。

僕は1社目を、次が決まってから辞めました。順番だけは守ったんです。それでも失敗しました。入った先が年間休日84日、基本給10万円未満の会社だったからです。どちらも入社してから知りました。

つまり「次を決めてから辞める」だけでは足りないということです。早く決めることを優先すると、次が決まっていても同じような場所に入ります。

おすすめは、辞める手続きと並行して、次の相談だけ先に始めておくことです。応募しなくても構いません。登録して話を聞くだけで「自分にも行き先がある」と分かる。それだけで、会社に対して引け目を感じなくなります。

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まとめ:休み明けの憂鬱は、情報として扱う

この記事のポイントをまとめます。

  • お盆明けに辞めたくなるのは、休んでまともな感覚に戻ったから。気の持ちようの問題ではない
  • 辞めたほうがいい基準は5つ。①休んでも回復しない ②体に出ている ③法律の線を越えている ④3年後の先輩が絶望的 ⑤理由が半年変わっていない
  • 特に①と②が同時に出ているなら急ぐ。体は先に壊れる
  • 逆に、理由を休み中に初めて考えた・貯金が1〜2か月分・方向が言語化できていないなら、順番を変える
  • 決められないなら、求人を紹介しないキャリアコーチングで言語化から
  • 切り出せないなら退職代行。有給や未払いがあるなら交渉できる労働組合か弁護士を選ぶ
  • 辞めるにしても、次の相談だけは並行して先に始める

休み明けの憂鬱は、消すべき甘えではなく、読むべき情報です。全部が「辞めるべき」のサインではないし、全部が「気のせい」でもない。その区別さえつけば、来年の同じ日に同じことを考えなくて済みます。

僕は区別をつけるのに2年半かかりました。いま29歳で職歴ゼロから始めて、今は新聞記者として働いています。遅すぎるということはありませんでした。

ともふみ
ともふみ

明日から動く必要はありません。ただ「今年の休み明けも同じだった」という事実だけは、忘れないでおいてください。

僕自身の話は、29歳まで職歴ゼロのアラサーフリーターが、4年で4社を経て33歳で新聞記者になるまでに全部書いています。