履歴書を買ってきて、住所と名前を書いて、学歴を書いて——そこまでは10分で終わります。
止まるのは、職歴欄です。
正社員として働いたことがないと、ここに書く「会社名」がありません。あるのはアルバイト先だけ。その瞬間、手が止まります。

バイトは職歴ちゃうやろ。「なし」でええんちゃう?

そこがいちばんもったいないところです。書いていいものを、自分から捨てにいっています。
結論:アルバイトは職歴欄に書いていい
まず、いちばん多い誤解から片づけます。
アルバイトの経験は、履歴書の職歴欄に書いて構いません。
「職歴=正社員歴」というルールはどこにもありません。職歴欄は「これまでどこで働いていたか」を書く欄です。雇用形態が何であれ、働いていた事実は職歴です。
むしろ、書かないほうが不自然になります。20代後半や30代の履歴書で職歴欄が真っ白だと、採用担当は「この人はこの数年、何をしていたんだろう」と考えます。その空白を、相手の想像に任せることになるわけです。
想像に任せるくらいなら、事実を書いたほうがいい。アルバイトでも、働いていた期間が埋まっているほうが、圧倒的に読みやすい履歴書になります。
そのまま使える職歴欄の型
書き方には決まった形があります。難しくありません。次の並べ方を守るだけです。
| 年 | 月 | 職歴 |
|---|---|---|
| 職 歴 | ||
| 2017 | 4 | 株式会社◯◯(◯◯店) アルバイトとして入社 |
| 接客・レジ業務、新人教育、発注業務を担当 | ||
| 2024 | 3 | 一身上の都合により退職 |
| 2024 | 4 | 株式会社△△(△△店) アルバイトとして入社(現在に至る) |
| 以上 |
押さえるポイントは4つだけです。
- 1行目に「職 歴」と見出しを書く——学歴の下に1行空けて、中央に。これは形式なので必ず入れます
- 店名ではなく運営会社名を書く——「セブン◯◯店」ではなく「株式会社◯◯(◯◯店)」。給与明細や雇用契約書に書いてある正式名称を確認してください
- 雇用形態を必ず明記する——「アルバイトとして入社」。ここを隠すと経歴詐称になります。書けば問題ありません
- 最後に「以上」を右寄せで書く——現職がある場合は「現在に至る」を入れてから「以上」です
下に1行、担当業務を添えるのが効きます。職歴欄は本来「どこにいたか」だけの欄ですが、正社員経験がない人ほど「何をしていたか」で読ませたほうが有利だからです。
やってはいけない3つ
① 空欄のまま出す
最悪はこれです。書き忘れなのか、本当に何もないのか、相手には判別できません。本当に一度も働いたことがないなら「なし」と書いて、その下に「以上」。空欄と「なし」は別物です。前者は不備、後者は申告です。
② 短期バイトを全部並べる
1か月の派遣、2週間のイベントスタッフ、3日の引っ越し。これを全部書くと、職歴欄が10行を超えて「続かない人」に見えます。事実なのに損をする、典型的なパターンです。まとめ方は次の見出しで書きます。
③ 正社員に見えるように盛る
「アルバイトとして」を省いて会社名だけ書く、役職を作る、期間を延ばす。これは経歴詐称です。入社後に発覚すると解雇の理由になります。しかも、そこまでのリスクを取る意味がありません。アルバイトだと書いて落ちる会社は、書かずに入っても続きません。
短期バイトが多い人の圧縮の仕方
フリーター期間が長いと、履歴が細切れになります。全部書くと収まらないし、書かないと空白になる。ここは「まとめて1〜2行にする」のが正解です。
| 状況 | 書き方 |
|---|---|
| 短期の派遣を10件以上 | 「2019年4月〜2021年3月 人材派遣会社◯◯に登録し、倉庫内作業・イベント運営等に従事」 |
| 掛け持ちしていた | メインの1件を通常どおり書き、もう1件は担当業務の行に「(同期間、△△でも接客業務に従事)」と添える |
| 1〜2か月で辞めた1件 | 3か月未満で、他に長い経験があるなら省略してよい。ただし面接で聞かれたら正直に答える |
基準はシンプルです。長く続けたものは詳しく、短いものはまとめる。嘘をつくのではなく、読み手が理解できる粒度に整える作業です。
ちなみに、同じ職場に3年以上いたなら、それは書類上かなり強い材料になります。「アルバイトだけど長く続けた」は「正社員だけど1年で辞めた」より評価されることがあります。これは実際に面接で言われたことです。
履歴書の職歴欄と、職務経歴書の役割は違う
ここを混ぜると混乱します。整理しておきます。
| 履歴書の職歴欄 | 職務経歴書 | |
|---|---|---|
| 役割 | いつ・どこにいたか | そこで何をして、何ができるか |
| 分量 | 1行+補足1行 | A4で1〜2枚 |
| 数字 | 年月だけ | 件数・人数・金額を入れる |
職歴欄で頑張って書き込む必要はありません。ここは事実の台帳です。アピールは職務経歴書でやります。その中身の作り方は正社員経験なしでも就職できる|29歳・書類がほとんど通らなかった僕が受かった会社の違いに、書き換え例つきで書いています。
僕の職歴欄はスカスカでした
正直に書くと、29歳で就職活動を始めたときの僕の職歴欄は、アルバイト先が数行あるだけでした。
時給1100円、月160時間。同じところで長く働いてはいましたが、肩書きも役職もありません。舞台とバンドを8年やっていましたが、それは職歴欄に書ける形をしていませんでした。
書いていて、正直みじめでした。紙にすると、自分の8年がこんなに短いのかと思いました。
ただ、実際に落ちた会社の理由は、この職歴欄ではありませんでした。落ちた原因は、応募先の選び方と、聞かれたときの答え方です。職歴欄が原因で落ちたと感じたことは、振り返ると一度もありません。

職歴欄は、勝つための欄ではありません。不備で落とされないための欄です。ここは減点さえされなければ十分です。
1枚目で止まっているなら、書く前に見てもらったほうが早い
この記事の型どおりに書けば、職歴欄は10分で埋まります。それでも手が止まるとしたら、たぶん問題は書式ではなく「この経歴でどこに出すのか」のほうです。
ここは一人で考えても答えが出ません。応募先を知らないと、どこまで書くべきかも決まらないからです。
20代なら、20代フリーター向けのミラフリが距離としてはいちばん近いです。フリーターであることが前提のサービスなので、職歴欄がアルバイトだけであることを説明するところから始めなくて済みます。オンラインで完結するので、書きかけの履歴書を手元に置いたまま相談できます。
既卒・中退も含めて見てほしいなら、第二新卒エージェントneoも同じ層を対象にしています。書類の添削まで見てもらえるので、この記事の型で書いたものを持ち込む使い方が向いています。
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まとめ
- アルバイトは職歴欄に書いていい。「職歴=正社員歴」というルールは存在しない
- 店名ではなく運営会社の正式名称。「アルバイトとして入社」と雇用形態を必ず書く
- 最悪なのは空欄。本当にないなら「なし」と書いて「以上」で締める
- 短期を全部並べない。長いものは詳しく、短いものはまとめる
- 盛らない。アルバイトと書いて落ちる会社は、書かずに入っても続かない
- 職歴欄は勝ちにいく欄ではなく、減点されないための欄。勝負は職務経歴書と面接
職歴欄を埋めると、思ったより自分が働いてきたことに気づきます。時給がいくらだったかも、雇用形態が何だったかも、そこには関係ありません。働いていた事実は、ちゃんと行になります。
面接で必ず聞かれる「その期間、何をしていましたか」への答え方は、フリーターの空白期間、面接でどう説明する?元バンドマンの僕の答え方に書きました。職歴欄を書き終えたら、次はそこです。




