32歳のとき、僕は介護福祉業界の会社に、Webマーケの部門で採用されました。

2社目では基本給が10万円を切っていましたが、ここで月給30万円になりました。

ただし、「Webマーケター募集」の求人に未経験で応募して受かったわけではありません。29歳まで職歴ゼロのフリーターで、Webの専門教育を受けたこともありません。そういう人間が30代でWebマーケの仕事に就くには、別の順路が必要でした。

三十路フリ太郎
三十路フリ太郎

Webマーケって、スクール通って資格取って、ってイメージやけど。30代からでも入れるん?

ともふみ
ともふみ

正面の入り口は狭いです。僕が通ったのは、横の入り口でした。Webに詳しい人が誰もいない会社です。

 

30代・未経験で「Webマーケター」の求人に直接行くと、なぜ厳しいのか

先に厳しい話からします。

Webマーケティングの求人は、多くが実務経験を前提に出ています。未経験可の求人もありますが、そこには20代のポテンシャル枠の応募者が集まります。30代・未経験がそこに並ぶと、年齢の分だけ不利になります。

独学やスクールで作った成果物で勝負する方法もあります。ただ、同じように学んだ人は大勢いて、成果物だけで差をつけるのは簡単ではありません。企業が30代に聞きたいのは「仕事として、どんな数字を動かしたか」だからです。

30代・未経験の職種選びを3つの層に分けた30代未経験、職種はどう選ぶ?の記事でも、マーケティングは「職歴なしから直接入るのは現実的ではない層」に入れました。この記事は、その層にどう手を届かせるかの具体編です。

 

僕が実際に通った順路

まず、29歳から32歳までに何をしていたかを並べます。

時期 会社と職種 Webに関してやったこと
29歳〜(約半年) 建設業界向けの人材派遣会社/営業 派遣する人が足りず、社長に掛け合って採用に注力。HP運用、SNS運用、インタビュー記事の作成、求人媒体との打ち合わせ
30歳前後〜(約2年半) インテリア用品の会社/営業 営業のかたわら、Webマーケ的なこと、チラシなどの販促物、HP運用を任される。すべて独学
32歳 介護福祉業界の会社/Webマーケの部門 それまでの経験と実績を評価されて採用

見てのとおり、最初の2社はどちらも営業職です。Webマーケの専任だったことは一度もありません。それでも、3社目の面接で話せる材料はそろっていました。

 

鍵は「Webに詳しい人がいない会社」でした

2社目は、業界自体が古い体質の会社でした。取引相手の大半は60歳以上で、社内でも若手と呼ばれる人が40代半ば。FAXと紙が主役の職場です。

こういう会社では、少しパソコンが触れる程度の人間でも、Webの仕事を任されます。ほかに誰もやる人がいないからです。

本当にパソコンが得意な人は、そもそもこういう会社に就職しません。だから競争相手がいません。

僕はこれを勝手に「ブルーオーシャン戦略」と呼んでいます。僕のレベルのスキルで、Webマーケの会社に入ることはできなかったと思います。でも、Webに詳しい人がいない会社なら、学びながら実務をやらせてもらえる。失敗しても、比べられる相手がいない。

そして何より、「実務でやった」という1行が手に入ります。30代の転職で効くのは、この1行です。

ともふみ
ともふみ

「パソコンスキルが必要なのに、パソコンスキルを持った人が集まらない会社」を探す、と考えてください。

 

入ったあとにやったこと

詳しい人がいない会社に入れば、自動的にWebの仕事が回ってくるわけではありません。僕がやっていたのは、この3つです。

① 誰もやっていないWebの仕事を、自分から拾う

1社目では、人がいないのに営業に行くという歪な状況が続いていました。売る商品がないのと同じです。そこで社長に掛け合って、採用のためのHPやSNSの運用を始めました。頼まれるのを待たずに、空いている穴を見つけて手を挙げる。これが最初の一歩でした。

② 数字で残す

2社目では、Webマーケや販促、HP運用で集客を増やし、売上と粗利を前年比で約200%にしました。この数字があったから、次の転職で話ができました。やったことは、前と後の数字をセットで記録しておいてください。後から思い出そうとしても、数字は出てきません。

③ 肩書きをもらう

2社目では、最終的に主任になり、部下がいました。大した役職ではありません。それでも、肩書きがあること、部下がいたことは、面接でわかりやすく評価されました。少人数でもマネジメントした経験は、思っている以上に武器になります。

 

面接では「チームで」と「どうやって」を話した

32歳の転職では、興味を持てる会社や職種に片っ端から応募しました。面接で意識したのは2つです。

一つは、プロセスを話せるようにしておくこと。「約200%」という結果だけでなく、なぜそうなったのか、何をどういう順でやったのかを説明できるように準備しました。

もう一つは、「チームで達成した」と伝えること。「自分一人でやった」と言うと、一見できる人に見えますが、採用する側からは「チームで動けない人」にも見えます。僕の経験では、チームでの成果として話したほうが、採用担当者の反応は良かったように思います。

営業の経験をどう言い換えるかは営業を辞めたい人へ。営業から異業種に転職した僕のリアルな話にも書いています。

 

この順路の弱点も書いておきます

良いことばかり書くと不公平なので、はっきりさせておきます。

  • 時間がかかる。僕は29歳から32歳まで、約3年かかりました。最短ルートではありません
  • 労働条件が悪いことがある。Webに詳しい人がいない古い会社は、働き方も古いことがあります。僕の2社目は年間休日84日でした(その中身はこちら)
  • 知識に穴があく。全部独学なので、体系的な知識はどうしても抜けます。専門の部署に入れば、周りとの差ははっきり見えます
  • 最初はWebが本業ではない。営業などの本来の仕事をこなしたうえでの「プラスα」なので、そのぶん忙しくなります

特に2つ目は注意してください。Webの経験が積めても、体を壊したら意味がありません。入る前に労働条件は必ず確認してください。確認するべき場所は内定後の労働条件、どこを見る?にまとめました。

 

いまから始めるなら、求人の探し方

30代・未経験でこの順路を使うなら、探すのは「Webマーケター」の求人ではありません。

  • 中小企業の営業職や販促・広報で、仕事内容に「HPの更新」「SNSの運用」「チラシ作成」などが混ざっているもの
  • 業界が古く、社員の年齢層が高い会社
  • 社内にWeb専任の担当者がいない会社

3つ目は、求人票からはまず分かりません。ここは応募前に「社内にWebの担当者はいますか」「HPは誰が更新していますか」と聞けるかどうかで差がつきます。

自分で聞きにくいなら、担当者に聞いてもらうのが早いです。転職エージェントナビは、紹介されたエージェントと話が合わなければ、担当カウンセラーが間に入って別のエージェントを紹介してくれる仕組みです。「Webの経験を積める会社を探している」という少し変わった希望でも、理解してくれる担当者に当たるまでやり直せるのが利点です。

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三十路フリ太郎
三十路フリ太郎

3年かかるんか……。でも、何もせんかったら3年後もいまのままやもんな。

 

まとめ

  • 30代・未経験でWebマーケの求人に直接応募するのは厳しい。実務経験が前提で、20代と競うことになる
  • 僕が通ったのは、Webに詳しい人がいない会社で、営業のかたわらWebの仕事を拾う順路
  • 入ったら、自分から手を挙げる・数字で残す・肩書きをもらう
  • 面接ではプロセスと「チームで達成した」を話す
  • 弱点は、時間がかかること、労働条件が悪い会社に当たりやすいこと、知識に穴があくこと
  • 探すのは「Webマーケター」ではなく、Webの仕事が混ざった営業・販促の求人

正面の入り口が閉じているなら、横の入り口を探す。30代・未経験の転職は、だいたいこの考え方でうまくいきました。

29歳・職歴ゼロから、4社を経て33歳で新聞記者になるまでの全体像は29歳まで職歴ゼロのアラサーフリーターが、4年で4社を経て33歳で新聞記者になるまでに書いています。