面接の終わりに、必ずこれが来ます。

「最後に、何か質問はありますか」

ここで多くの人が、スマホのメモに用意してきた質問を読み上げます。「御社の強みは何ですか」「入社までに勉強しておくことはありますか」。丁寧だし、悪い質問ではありません。

ただ、それだけだと面接の45分間を聞いていなくても言える質問になります。

33歳のとき、僕は業界紙の新聞記者として採用されました。未経験です。後から聞いたところによると、その面接で見られていたことの一つが、「どれだけ会話の中から質問を生み出せるか」でした。

三十路フリ太郎
三十路フリ太郎

逆質問な。ネットで調べた「好印象な逆質問10選」をメモに入れてあるで。これ読めばええんやろ。

ともふみ
ともふみ

10選を見ている時点で、面接官も同じ10選を何度も聞いています。そこで差はつきません。

 

結論:逆質問は「準備するもの」ではなく「面接中に拾うもの」です

先に結論を書きます。

用意した質問は保険。本命は、その面接の中で相手が話したことから作る質問です。

理由は単純で、その場で作った質問だけが「この人は人の話を聞いている」という証明になるからです。

未経験の面接では、経験で勝つことができません。比べられるのは、話の聞き方と、その場での反応です。逆質問は、その反応を見せられる最後の時間です。

だから「何を聞けば好印象か」を探すより、面接中にどうやって質問の種を拾うかを身につけたほうが早いです。

 

面接中に質問を作る3つの手順

難しいことはしません。面接中に、次の3つだけ意識します。

手順①:相手が2回以上言った言葉をメモする

面接官の話の中で、同じ言葉が2回以上出てきたら、それは会社が大事にしていることです。

「チームで」「自分で考えて」「お客さま第一で」。こうした言葉は、その会社の中で実際によく使われているから口から出ます。

メモは実際に取って構いません。「メモを取らせていただいてもよろしいですか」と一言断れば、断られることはまずありません。そしてメモを取る行為そのものが、話を聞いている姿勢として伝わります。

手順②:その言葉の「中身」を聞く

拾った言葉を、そのまま質問に変えます。形は「先ほど◯◯とおっしゃっていましたが、具体的には△△ということでしょうか」です。

  • 「先ほど『チームで動く』とおっしゃっていましたが、未経験で入った場合、最初は誰かと組んで動く形になりますか」
  • 「『自分で考えて動いてほしい』というお話がありましたが、入社してどのくらいの時期から、そういう動き方を求められますか」

この形の強いところは、相手が話した内容がそのまま材料になるので、事前に正解を知らなくても作れることです。

手順③:最後は「自分が入った後」の話にする

質問を、会社の話ではなく自分が働いている場面の話に着地させます。

「入社後」「最初の3か月」「配属されたら」という言葉を入れるだけで、面接官の頭の中に、あなたが働いている絵が浮かびます。未経験の選考で効くのは、ここです。

ともふみ
ともふみ

「御社の強みは何ですか」との違いは、聞いているのが会社か、自分の働き方か、です。

 

職歴がないからこそ、聞ける質問があります

フリーターや職歴なしの人は、逆質問で引け目を感じがちです。「未経験の自分が質問していいのか」と。

むしろ逆で、未経験にしか自然に聞けない質問があります。

  • 「これまで未経験で入られた方は、最初の数か月どんな仕事から始めていますか」
  • 「未経験で入った方が、最初につまずきやすいのはどのあたりですか」
  • 「この職種で長く続いている方に、共通点はありますか」
  • 「入社前に触れておくと、初日から役に立つツールや知識はありますか」

この4つは、経験者が聞くと不自然です。未経験だから素直に聞けます。そしてどれも「入社後にちゃんとやっていく気がある」ことが伝わります。

4つ目は特に使い勝手がいいです。返ってきた答えをそのまま入社までにやれば、初日の立ち上がりが変わります。

 

避けたほうがいい逆質問と、その理由

次の3つは、意図は分かるのに損をしやすい質問です。

「特にありません」

いちばん多くて、いちばん惜しいパターンです。興味がないと受け取られます。

思いつかないときのために、手順②の形をひとつだけ暗記しておいてください。「先ほど◯◯とおっしゃっていましたが」。これがあれば、面接中に出た言葉を1つ入れるだけで質問になります。

調べれば分かることを聞く

「御社の主力商品は何ですか」「何人くらいの会社ですか」。これは調べていないことの証明になってしまいます。

面接前に何を調べておけばいいかは未経験の面接、企業研究はどこまでやる? 33歳で受かった会社で「見られていた」と後から聞いたことにまとめました。1社30分で足ります。

条件の話から入る

休日、残業、給与。聞くこと自体は正当です。ただ、逆質問の1問目に持ってくると、それが一番の関心事だと伝わります。

順番の問題なので、仕事の話を2つ聞いたあとに1つ入れる、くらいで十分です。そして本格的な条件の確認は、面接ではなく内定が出てからのほうが確実です。口頭の説明ではなく、書面で確かめられるからです。

僕は2社目で、年間休日84日・基本給10万円未満という条件の会社に入りました。書面を見たのは内定の後で、そのときに何も言えなかったことを今でも覚えています。どこをどう見るかは内定後の労働条件、どこを見る? 雇用契約書で「年間休日84日」を知っても、何も言えなかった僕の話に書きました。

三十路フリ太郎
三十路フリ太郎

休みのこと聞いたら落とされる気がして、いつも聞けんかったわ……。

ともふみ
ともふみ

僕も聞けませんでした。だから2年半、年間休日84日で働くことになりました。聞けないなら、内定後に書面で確認してください。

 

用意していく「保険の質問」は、2つで足ります

その場で作るのが本命とはいえ、緊張して頭が真っ白になることはあります。保険は持っていってください。

ただし10個はいりません。2つで足ります。

  1. 入社後の立ち上がりを聞くもの:「未経験で入られた方は、最初の3か月をどんな仕事から始めていますか」
  2. 調べたことから作ったもの:「サイトで◯◯を拝見しましたが、この職種はそこにどう関わりますか」

2つ目は、企業研究をしていないと作れません。つまり逆質問の準備と企業研究は、同じ作業の裏表です。調べる目的が「質問を作るため」だと分かると、調べる手も速くなります。

 

面接そのものに慣れていないなら、場数の作り方から

ここまで書いてきたことは、全部面接に呼ばれてからの話です。

そして正直に言うと、未経験・職歴なしでいちばん難しいのは、面接に呼ばれるところまでです。29歳で就活を始めたとき、僕は書類がほとんど通りませんでした。面接まで行けたのは10社ほどです。

逆質問は、練習する場がないと上達しません。1社ごとの合否より、面接の回数を早く増やすことを優先したほうが結果的に近道になります。

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まとめ

  • 逆質問の本命は、用意した質問ではなく面接中に相手が話したことから作る質問
  • 作り方は3手順。①2回以上出た言葉をメモ ②その中身を聞く ③自分が入った後の話に着地させる
  • 未経験だからこそ聞けるのは「未経験で入った人の最初の数か月」を軸にした質問
  • 避けるのは「特にありません」「調べれば分かること」「条件から入る」の3つ
  • 条件の本格的な確認は、面接ではなく内定後に書面で
  • 保険の質問は10個もいらない。2つで足りる

逆質問は、面接の最後に置かれたおまけではありません。こちらから動ける、唯一の時間です。

経験で負けている前提なら、ここを捨てる理由はないと思います。

29歳・職歴ゼロから4社を経て33歳で新聞記者になるまでの全体像は29歳アラサーフリーターが正社員になるまでの記録にまとめています。