バイト先の店長は、年下の女性でした。
そして27歳のとき、新しく入ってきた同期は大学1年生でした。
どちらも、何ひとつ間違っていません。店長は僕より先に入っていて、経験があって、実際に優秀でした。同期の彼は19歳で、良い子で、仲も良かった。
それでも、ある時期からこの事実が妙に重くなりました。

そんなん気にするほうがダサいやろ。年齢なんて関係ないやん。

そう思おうとしました。でも、思おうとしている時点で気にしてるんですよね。
先に言っておくと、これは我慢の話ではありません
この手の話には、だいたい2つの結論しか出てきません。
- 「年齢なんて関係ない。気にするな」
- 「悔しいなら今すぐ動け」
どちらも正しいのですが、渦中にいるときには、どちらもあまり効きませんでした。気にするなと言われて気にならなくなるなら苦労しないし、動けと言われて動ける体力があるならとっくに動いています。
なので、この記事では「その感覚が何なのか」を分解するところまでやります。正体が分かると、扱い方が変わるからです。
年下に指示されること自体は、平気でした
まず、意外に思われるかもしれませんが、年下の店長に指示されること自体は、そこまで嫌ではありませんでした。
彼女は仕事ができました。判断が早くて、人の動かし方がうまくて、理不尽なことを言わない。純粋に「この人が上でよかった」と思っていました。
つまり年齢の上下そのものが問題だったのではないんです。ここを取り違えると、対処法を間違えます。
ではきつかったのは何か。振り返ると、はっきりしています。
きつかったのは「同じ土俵に乗っていない」ことでした
大学1年生の同期と、同じ研修を受けました。同じ立場で、同じ説明を聞いて、同じようにレジを覚える。
休憩室で彼が「就活どうしようかな」と話しているのを聞いたとき、はっきり分かりました。
この子には次がある。ここは通過点。
僕にとっては、ここが現在地だ。
同じ場所に立っているのに、その場所が持つ意味がまるで違う。彼にとってのアルバイトは「学生時代の経験」で、僕にとっては「職業」でした。
これが、居心地の悪さの正体です。年下に使われているからではなく、自分だけが「通過点」を「現在地」にしていたからでした。

惨めさの正体は、他人との比較じゃなくて「自分が止まっている感覚」でした。
だから、こう考え直しました
正体が分かると、必要なことは一つに絞れます。
ここを「現在地」ではなく「通過点」にできているか。
これだけです。年齢でも、立場でも、時給でもありません。
当時の僕には、実は通過点にできる理由がありました。舞台とバンドです。バイトは、そのための時間とお金を確保する手段でした。目的があるうちは、年下の店長も大学生の同期も、まったく気になりませんでした。
逆に言うと、きつくなったのは、その目的がぼやけてきた時期と完全に一致しています。27歳あたりから「このまま続けて、どうなるんだろう」と思い始めた。そのタイミングで、周りとの差が急に見え始めたんです。
つまり——年下の店長がしんどいのではなく、自分の現在地がしんどいときに、年下の店長が目に入るようになる。順序が逆でした。
いま同じ場所にいる人へ、3つだけ
①「気にするな」を目指さなくていい
気にならなくなることを目標にすると、気にしている自分をさらに責めることになります。気になるのは、前に進みたい気持ちがある証拠です。悪い感情ではありません。
② 相手ではなく、自分の位置づけを疑う
「なぜこの人が上なのか」ではなく、「自分はここを通過点にできているか」を考えてください。できているなら問題は起きません。できていないなら、それは職場の問題ではなく設計の問題です。
③ 通過点にする方法は、辞めることだけではない
目的があるなら続けていい。僕は舞台のために続けていた時期を後悔していません。時給1100円・月160時間で一人暮らし。フリーター時代の家計を全部書きますにも書きましたが、好きなことはできるときにやったほうがいいと本気で思っています。
問題は、目的がなくなったのに、場所だけ残っている状態です。そこだけは長引かせないでください。
僕が動いたきっかけ
結局、僕が動いたのは29歳です。2020年に舞台とライブの予定が全部飛んで、「続ける目的」そのものが消えたときでした。
そのとき初めて、バイト先が通過点ではなく現在地になっていることに気づきました。年下の店長も、大学生の同期も、そのときは何も関係ありませんでした。自分の問題だと分かったからです。
そこから正社員になるまでは、決して順調ではありませんでした。書類はほとんど通りませんでした。面接まで行けたのは10社ほどです。何を変えて受かったのかは、正社員経験なしでも就職できる|29歳・書類がほとんど通らなかった僕が受かった会社の違いに書きました。
もし「そろそろ通過点にできていないかもしれない」と感じているなら、まず話を聞くだけでも状況は変わります。応募しなくても構いません。行き先があると分かるだけで、いまの場所の見え方が変わるからです。
20代のうちなら、20代フリーター向けのミラフリが一番近いところにあります。年齢とフリーターであることが前提になっているので、年下の店長の下で何年働いていたかを弁明する必要がありません。オンラインで話せるので、シフト明けにそのまま相談できます。
フリーター・既卒を前提にしているところなら、職歴の説明を一から求められることもありません。第二新卒エージェントneoはその一つです。
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逆に「そもそも辞めるべきかどうか」から整理したいなら、求人を紹介しないPOSIWILL CAREERのようなキャリアコーチングのほうが向いています。初回の相談は無料ですが、本契約(コーチング本体)は有料です。
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まとめ
- 年下の店長に指示されること自体は、たいてい問題ではない
- きついのは、同じ場所にいるのにその場所の意味が自分だけ違うとき。相手には通過点、自分には現在地
- だから見るべきは相手ではなく、自分がここを通過点にできているか
- 目的があるなら続けていい。まずいのは目的が消えたのに場所だけ残っている状態
- 「気にするな」を目指さなくていい。気になるのは前に進みたい証拠
27歳の僕に何か言えるなら、「その居心地の悪さは正しいセンサーだよ」と伝えると思います。壊れているのではなく、ちゃんと働いているサインでした。
その後どうなったかは、29歳まで職歴ゼロのアラサーフリーターが、4年で4社を経て33歳で新聞記者になるまでに書いています。




