先に結論を書きます。
アラサーのフリーターでも、正社員にはなれます。ただし、20代前半と同じやり方では書類がほとんど通りません。やり方を変えれば、職歴ゼロからでも受かる会社はあります。
僕は大学を出てから29歳まで、舞台とバンドをやりながらフリーターをしていました。資格は普通免許だけ。29歳(2021年)で初めて就活をして、そこから4年で4社を経験し、33歳で業界紙の新聞記者になりました。
この記事では、アラサーフリーターが置かれている現実を公的なデータで確認したうえで、僕がうまくいかなかったこと、仕事選びで決めた3つの基準、今日からやることを順番に書きます。

アラサーでフリーターって、もう「やばい」側なんかな…。

「やばい」かどうかより、差がどれくらいあって、いつから開くのかを先に見ておくほうが役に立ちます。数字を出しますね。
アラサーフリーターの現実:正社員との給料の差は、30代で一気に開く
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」から、フルタイムで働く人の月の給料(残業代などを除いた、毎月決まって支払われる額)を年齢別に並べました。
| 年齢 | 正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 | 差 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 24.8万円 | 20.4万円 | 約4.4万円 |
| 25〜29歳 | 28.5万円 | 22.8万円 | 約5.7万円 |
| 30〜34歳 | 32.1万円 | 23.4万円 | 約8.7万円 |
| 35〜39歳 | 35.3万円 | 23.0万円 | 約12.2万円 |
| 40〜44歳 | 37.9万円 | 23.1万円 | 約14.8万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第6-1表(男女計・千円単位を万円に換算)。「正社員・正職員以外」には契約社員や派遣社員なども含まれ、フリーターだけの数字ではありません。
見てほしいのは右から2列目です。正社員以外の給料は、20代後半から40代まで、ほぼ23万円前後で横ばいです。一方で正社員は年齢とともに上がっていく。その結果、差は25〜29歳の約5.7万円から、30代前半で約8.7万円、30代後半で約12万円と開いていきます。
「アラサー」が分かれ目だと言われるのは、気分の問題ではなく、この線が離れはじめる場所だからです。逆に言えば、いま動けば、この差が開ききる前に正社員側に移れます。
僕自身の数字も出しておきます。フリーター時代は時給1,100円で月160時間くらい働いていたので、額面で月17.6万円ほど。29歳で入った1社目の月給は22万円でした(賞与なし)。その後、32歳で入った3社目と、いまの会社の月給は30万円です。
アラサーフリーターの不安の正体は、お金より「立ち位置」
ただ、正直に言うと、当時の僕がいちばんこたえていたのは給料の数字ではありませんでした。
バイト先のスニーカーショップでは、店長は年下の女性で、同じタイミングで入った同期は19歳の大学生でした。同級生はもう課長になっていました。仕事上は何の問題もないのに、自分だけがどこにも属していない感じが、年々重くなっていきました。
この感覚は、節約や工夫ではどうにもなりません。変えられるのは、自分の立場のほうだけでした。このときの話は店長は年下の女性、同期は大学1年生。27歳フリーターの居心地の悪さの話に書いています。
アラサーからでも正社員になれる。ただし、書類はほとんど通らなかった
「なれる」と書きましたが、すんなりいったわけではありません。うまくいかなかった順に書きます。
- 大手の転職エージェントに3社登録した。面談で経歴を話したとき、鼻で笑われたと感じた場面がありました
- 2か月くらい、動けなくなった時期があった
- フリーターなど向けの特化型エージェントに移った。模擬面接を2回やってもらい、そこから内定まで進みました
応募の数は、正確には覚えていません。100件くらいは出したかもしれない、という程度です。書類はほとんど通らず、面接まで進めたのは10社ほどでした。
あとから振り返ると、落ちた求人には共通点がありました。「1名募集」のような、少人数の募集です。1人しか採らない枠には、経験者も応募してきます。職歴ゼロのアラサーが、そこで選ばれる理由はほとんどありません。何を変えて受かるようになったのかは、正社員経験なしでも就職できる|29歳・書類がほとんど通らなかった僕が受かった会社の違いに詳しく書きました。
アラサーフリーターが仕事選びで重視すべき3つの基準
ここからが本題です。遠回りしたぶん、「最初からこれを決めておけばよかった」と思う基準が3つあります。
基準① 「育てる前提」の求人かどうか
職歴ゼロのアラサーは、即戦力としては採用されません。だから見るべきは職種の名前より、未経験者を採って育てる前提の会社かどうかです。
- 「未経験歓迎」だけでなく、研修やOJTの中身が書いてあるか
- 複数名の募集か(「1名募集」は経験者が競合に入りやすい)
- フリーター・既卒からの入社実績があるか
ただし「未経験歓迎」には、人が定着しないから常に募集している、というケースも混ざります。見分け方は未経験歓迎って本当?向いている人・向いていない人の特徴と体験談にまとめています。
基準② 休日と基本給を「数字」で確認する
これは僕がはっきり失敗した部分です。2社目のインテリア用品の会社は、年間休日84日、基本給は10万円未満でした。月給は23万円でしたが、その多くは手当で、毎日終電まで働いていました。
「正社員になれるならどこでも」という気持ちのまま決めると、こういう条件でも飲み込んでしまいます。見るべき数字は、少なくとも次の3つです。
- 年間休日(「週休二日制」と「完全週休二日制」は別物)
- 基本給(月給から手当と固定残業代を引いた額)
- 固定残業代が何時間分含まれているか
いまの会社は年間休日126日です。同じ「正社員」でも、年間で40日以上違います。確認のしかたは内定後の労働条件、どこを見る?に書きました。
とはいえ、2社目がすべて無駄だったとは思っていません。人が足りない会社だったので、営業に加えてマーケティングやWeb運用も任され、売上と粗利を前年比でおよそ200%にして主任になりました。その経験と実績が、32歳でWebマーケの部門に採用される材料になっています。条件は肯定しません。でも、経歴は作れた。それが正直なところです。
基準③ 1社目は「経歴を作る場所」と割り切る
アラサーで初めて正社員を目指すと、1社目で人生を決めようとしてしまいがちです。でも、職歴ゼロの時点で選べる会社には限りがあります。
僕は1社目(人材派遣会社の営業)に入った時点で、長くいるつもりはありませんでした。実際に半年で辞めています。ただ、職歴欄に「正社員」の1行が入ったことで、次の転職活動では「正社員経験なし」ではなくなりました。2社目は、次の会社が決まってから辞めています。
1社目に完璧を求めず、「次に進むための経歴を作る場所」として選ぶ。そのうえで、基準②の数字だけは妥協しない。この組み合わせが、アラサーにはいちばん現実的だと思います。
アラサーフリーターが今日からやること
1. 自分の数字を書き出す
月の手取り、家賃、貯金額。僕は就活を始めた時点で、貯金は数万円でした。数字にすると怖いですが、怖さの正体が分かると動きやすくなります。お金まわりの立て直しはフリーターの節約術にまとめています。
2. 相談先を、年齢で選ぶ
僕が遠回りしたのは、最初に自分の状況に合わない窓口を選んだからです。アラサーは「20代」か「30代」かで、使えるサービスが変わります。
29歳までなら、ミラフリのような20代フリーター・既卒向けのサービスが合います。フリーターからの就職を前提にしているので、職歴がないことを最初から説明しなくて済みます。相談はオンラインで無料です。
30代なら、「20代限定」のサービスに当たって時間を失うのがいちばんもったいない。転職エージェントナビのように、状況に合うエージェントを選んで紹介してくれるサービスから入ると遠回りしにくくなります。合わなければ別のエージェントを追加で紹介してもらうこともできます。
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年齢ごとの選び方と、登録から内定までの流れはフリーター・30代の転職エージェントおすすめに詳しく書きました。
3. 応募の基準を、先に紙に書いておく
上の3つの基準(育てる前提か/休日と基本給の数字/1社目は経歴づくり)を書き出して、求人を見るたびに照らし合わせてください。基準がないまま応募を続けると、落ちるたびに自分を責めるだけになります。
よくある質問
Q. アラサーのフリーターは「やばい」ですか?
給料の差という意味では、30代に入ると差が一気に開くので、放っておくと不利になっていきます。ただ、それは「もう無理」という意味ではありません。差が開ききる前に動けば取り戻せる、という意味です。
Q. 何歳までなら間に合いますか?
年齢そのものより、「何もしないまま時間が過ぎること」のほうが問題です。30歳前後の人は30歳フリーターは手遅れ?も読んでみてください。
Q. 先に資格を取ったほうがいいですか?
僕の資格欄は普通免許の1行だけでしたが、就職はできました。資格を取るか迷っている人はフリーターは資格を取ってから就職するべき?に考え方をまとめています。
Q. バイトは辞めてから就活したほうがいいですか?
お金が尽きると判断が雑になりやすいので、続けながら動くほうが安全です。辞めどきは就職活動中、バイトはいつ辞める?に書きました。
まとめ:アラサーフリーターは「差が開ききる前」が動きどき
- 正社員以外の給料は20代後半から40代までほぼ横ばい。正社員との差は30代で一気に開く(厚労省・令和7年賃金構造基本統計調査)
- アラサーからでも正社員にはなれる。ただし書類はほとんど通らない前提で、応募先の選び方を変える
- 重視する基準は3つ。①育てる前提の求人か ②休日と基本給を数字で確認 ③1社目は経歴を作る場所と割り切る
- 相談先は年齢で選ぶ。29歳までは20代向け、30代は30代でも使えるところから
僕が29歳で動いたとき、手元にあったのは普通免許と数万円の貯金だけでした。それでも、1行目の職歴ができたところから、次の選択肢は少しずつ増えていきました。

差が開ききる前に、1行目の職歴を作りにいきましょう。そこから先は、ちゃんと積み上がります。




